第2話 幸せな日々

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「修二!」 「亜津紗!」 仲良くなって早1ヶ月、教室などではあまり親しくはしていないが人気がない場所や屋上でよく逢っていた。 かわいらしい笑顔でやってくる亜津紗はとてもかわいいと思う。 最近こんなことばっか考えてる。 「今日は修二のお弁当も作ってきたよ。」 「サンキュー。」 たまに亜津紗はオレに弁当を作ってくれる。 何でも料理は得意らしい。 亜津紗は普通の女の子だ。 暗いとか言われているが話してみれば全然そこらの女子と変わらない。 明るくかわいい性格である。 「うん、今日のも美味しい!」 「よかった。」 「天才だな、亜津紗!」 「照れるってば・・・。」 顔を赤らめる亜津紗。 それがとてつもなくかわいい。 ふと、オレは亜津紗の動きに首を傾げた。 何だか、何かを庇うように動いているのだ。 じっと見つめ、原因に気づく。 「亜津紗、もしかして肩痛むのか?」 「えっ、あ・・・ちょっとね。」 歯切れ悪くそう言い、右肩に手を当てる。 オレは立ち上がると屋上についている水道に駆け寄り、ハンカチを濡らした。 余分な水分を絞り、濡れたそれを亜津紗に渡した。 「後ろ向いてるから冷やせ。」 「ありがとう。」 オレは後ろを向く。 Yシャツのボタンを外す音がしてオレは熱が顔に集まるのを感じ、誤魔化すように弁当をかきこむ。 せっかくの弁当の味が何だか分からなかった。
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