16人が本棚に入れています
本棚に追加
――――――――
バスの中で突然、
咲希にうちに来ないか
と誘われいつもより
2つ手前の停留所で降りて
咲希と今、小さな公園の
ベンチに座っている。
もう辺りはすっかり暗くなって
公園には誰もいなく、
とても静かだった。
そして2人の間も
沈黙が続いており、
なにを話せばいいか
わからなかった。
なんか話題はないだろうか…
考えていると咲希が
先に沈黙をやぶった。
「ごめんね。急にうちに来ないか誘っちゃって…
しかも、お父さんがいて家にあげてあげることもできなくて…
本当、ごめんね」
さっき、咲希家に行ったが
お父さんがもう帰って
きていたらしく、
お父さんは大変厳しい人だ
ということなので、
あがらせてもらうのは
なしになり、いまこうして
静まりかえった公園にいるのだ。
「ううん。全然平気平気
うちの門限、10時だしさ!」
「そっか。
ならよかった!」
安心したのか
咲希は少し微笑んだ。
咲希の笑った顔、
可愛いなぁ
なんだろう
お日さまみたいだな
「んでさ、真由は本当にバスケ部入るの?」
さっきの笑顔とは違い、
とても真剣な顔つきで
聞いてきた。
最初のコメントを投稿しよう!