【第三回 コレクション】

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「………ん?」 今なにか光らなかったか? 普段聞き慣れない音もしたような…… 気のせい? 「……今なんか光らなかった?」 後ろを振り向き、母さんに尋ねるけど…… 「ん?知らないわよー」 と、洗濯物を畳ながら言った。 知らない、か。 どこか楽しそうなのが気になるが…… 「わっ、やば……」 食べていたアイスが溶けはじめてきた。 床に落ちそうな所を舌でなめる。 ――――――― 「あ、そうそうそれで……」 ―――…パシャッ 「えっ!?」 なんだ? 次ははっきり聞こえたが……… 「あ、凌?ごめん。あ、携帯から電話してるから大丈夫」 なんなんだ? この時々感じる……初めてじゃないよな、うん。 ―――――― 「………はぁ、やっぱ風呂はすっきりするよなー」 ――――…パシャッ 「………!?」 またかよ!? って、思い出した! 「………っ、るい!」 カメラで隠し撮りをするのはあいつしかいない! あれ? でもあいつ……今県外だよな? 安藤と遊びに行くって楽しみにしてたから…… 「……やっぱり気のせいか?だよな、はは……」 ……早く寝よ。 ――――― 「はい、お土産!」 お土産……あぁそっか。 愛知まで遊びにいってたんだよな。 「ありがとう……ってなんだよこれ!?」 「コオロギの揚げ物」 「名古屋に行ったんだろ!?」 「一番安かったもん」 金持ちがケチケチすんなよ! しかも会社、東京じゃねぇか! ――――― 「……綾おばさーん!ありがとうございます!あ、これ特盛なごやんです!」 「るいちゃんみたいに上手じゃないけどナイスショットよ!まぁ、ありがとう」 「ふふ、もうすぐで百枚!」
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