湖の主・・・?

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「わーぉ」 第一声がそれかよ俺。 まあ、池かなんかと思ったら湖だったから。 スケールヤヴァイ。 「取りあえず水を―――――」 目の前の水辺には 『山葵(ワサビ)』が 生えていた。 水は綺麗なようだ。 「川にあるはずだが・・・まぁいいか。」 水を手で掬って口へ運ぶ。 旨い。 キリッと冷えていてさっきまで 動いていた俺には気持ちがよかった。 喉を潤し、 取りあえず辺りを散策してみる。 食糧確保に、 それと人と出会うためだ。 生食可能な『山桃』から、 『虎杖(イタドリ)』、 『蓬(ヨモギ)の先芽』などを 見つけてきた。 一応、山菜、野草などには 詳しいつもりだ。 ところがおかしい。 それにしても寒い。 天気は晴れ晴れとしていて 実にユカイなのだが。 立ち止まり考える。 「周りの草木を見る限り、『夏』だと思うのだが・・・」 「ちょっとあんた待ちなさいよ」 「ん?」 声のする方向へ目を向ける。 そこには少女。 やっと人に会えた。 ただ。 普通じゃなかった。 「人が浮いている・・・だと?」 正しく言えば 『飛んでいた』 「人間と間違えるって、 あんたあたいとは 違って実にお馬鹿さんなのね!」 バカ呼ばわりされた。 確か初対面だよな? と言うか、『人と間違える・・・?』 よく見ると背中には羽の ようなものが生えている。 「妖精? わぁーファンタジーなこった・・・ 嫌いじゃないが」 「あたいはチルノ、氷精よ」 ん・・・チルノ? 聞き覚えのある名前だ。 まさかとは思うが。
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