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遺跡から脱出したオレはすぐにでも、カイロニア公国の公都ルマに向かいたかったが、クレイに止められた。
「お前、その格好で本当にルマへ行くのか?」
呆れ顔でクレイがため息をつく。
「え、何か変か?」
オレは服の裾をつまんで、自分自身を省みた。
多少、くたびれてはいるが汚くはない。
オレって意外に綺麗好きなんだ。
「全く問題ないじゃないか」
オレは自慢げに断言した。
「…………頼むから、俺の言うことを聞いてくれ」
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