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俺の名は『リデル・フォルテ』17歳、女みたいな名前だが、性別は男だ。
髪の色も瞳の色も黒で、顔は……まあ、あれだ、童顔っていうのか、相棒が冗談で言うには『男にしとくにはもったいないぐらいの別嬪さん』なのだそうだ。
全然、嬉しくない。
何故なら、俺が目指しているのは、男も惚れ込むようなニヒルで渋い屈強な戦士だからだ。
それなのに、相棒にくっついて酒場に行くと、綺麗なお姉さんに『僕……可愛いわね、いくつ?』なんて必ず言われちまう。確かに身長は少し低いし、筋骨隆々ってわけじゃないけど、それなりに身体は鍛えてるっていうのに。
全く、頭に来る。
俺の職業は、相棒と同じ傭兵なのだが、この見た目のせいで、ずいぶん損をしている気がする。大体、俺の傭兵としての売りは、この俊敏さにつきると言っていいので、筋力や頑丈さは二の次なのだ。
加えて剣さばきだって、俺が知る範囲では『例外』を除いて負けることはないと自負している。
まあ、もちろん上には上がいるのは知っているけど、大概の奴には負けないつもりだ。
だけど、その程度じゃダメなんだ。俺の崇高な目的のためには、もっと強くならなきゃいけない。
そう、誰にも負けない強さが欲しいんだ。
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