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ヒューが許してくれれば、今度乗せてもらおうと思いながら、馬小屋から母屋へ戻ろうとすると、呼び止める声がした。
「お姉さん、騎士様の知り合い?」
見ると、年の頃なら10歳前後の少年が意を決したようにこちらを見つめていた。
「ま、知り合いと言えば知り合いだけど。それが?」
「僕、騎士様にお願いがあるんだ。取り次いでもらえる?」
思いつめた表情と、不躾な申し出にオレは吹き出した。
「わ、笑わないでよ。僕、真剣なんだから」
「あ、悪い……悪気はないんだ。でも坊や、それじゃ話は聞いてもらえないよ、普通」
「坊やじゃない!お姉さんと幾つも違わないよ」
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