9人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
要達が去っていった後
男性と恋は橋の下に残された
男性は恋を見て一言
「うぜぇ」
恋は予想外の台詞に驚いた
恋が予想していた言葉とはまったく逆の台詞だったのだ
「お前さ…さっき母親の事悪く言われたのに何にもしなかったよな」
「え…だって…」
男性は眉間に皺を寄せで少々いらついてるらしく
「俺は【だって】って言葉は嫌いなんだよ!!俺はな…何でやり返さなかったかって聞いてんだ…悔しくねぇのか?」
恋は涙目になりながらも答える
「俺だって…やり返したかったですよ…悔しかったですよ…でも俺…勇気ないから…力がないから」
恋の目から一粒二粒と涙が溢れた
男性はそれを見て
一度目を瞑り何か考えて
「じゃぁ…ちょっとついてこい」
男性は恋の手をとり
立ち上がらせて走り出す
恋は何が何だかわからずに男性に引っ張られたままついていく
男性に連れて行かれて着いた場所は、昨日、恋が覗いたボクシングジムだった
恋は昨日の事を思い出した
「あぁ!!」
「どうした?」
「貴方…昨日ここでサンドバックを殴って凄い揺らしてた人!!」
男性はにこっと笑った
「ん?…フッ…見てたのか…俺の名前は【神楽坂 神】(かぐらざか しん)だ…ほら入るぞ」
神と恋はボクシングジムの中に入り
サンドバックの前に立つ
「何をするんですか?」
「そのサンドバックをさっきの坊主達だと思っておもいっきり殴れ…」
「え…えと…こうですか」
恋はサンドバックの中心を軽く叩いた
それを見て神はため息をつきながら
「はぁ…いいかパンチってのはな」
神はストレートのうちかたを教える
「いいか…まずは右足を前に出して力強く地面を踏む…次に後ろの左足で地を強く蹴る…それと同時に腰を回転させ右ストレートをうつ…これを流れるようにやると」
神はサンドバックの前に立ち
右ストレートをうつ
するとサンドバックが飛ぶように後ろに下がる
サンドバックを殴った時に凄い音がなった
「ほれ…やってみろ」次は恋がサンドバック前に立つ
そして教わった事をぶつぶつと呟きながら
右ストレートをうつ
すると驚く事に神が放ったストレートより音をたてサンドバックが揺れる
それを見ていたボクシングジムに通っている皆が【おぉ】と歓声をあげた
最初のコメントを投稿しよう!