プロボクサーへの夢

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奥から出てきた白髪の男性は恋を見るやいなや 手の平…手の甲…腕…肩…もも…太ももを触り始めた 恋は男性が何をやっているか、わからずにおどおどしていた 「な…なんですか?」 「いい筋肉をしておる…筋トレか何かしておるのか?」 その問いに答えたのは恋ではなく神であった 「親父…違うよ、恋の筋肉は家業の手伝いをしてて自然についた筋肉だ」 神の言葉を聞いて男性は恋に聞く 「家業?…家は何をしておる」 「えぇと…ペットショップです」 答えた恋は色々な事がわからずにいた 「ペットショップ?…こんないい筋肉がつくとは思えんな…ん?…なんじゃ若造…そんなに不思議そうな顔をして」 恋はおどおどしながら 「え…えぇと…あなたは?」 「おぉ…そうじゃったそうじゃった…自己紹介が遅れたのぉ…わしは【神楽坂 元】じゃ…君のトレーナーで…このジムの会長だ」 恋はやはりおなじみの驚きを見せた ジムの皆はそれを見て笑っている すると二人の男性が近寄ってきて 「君が例のハードパンチャー…宮東 恋か」 先ず最初に話しかけてきた男性は【ガゼル・千崎】 外国から来た冷静沈着なフェザー級八位のアウトボクサーである 日本語はペラペラだ 「新人はん…昨日のパンチ見たで、わいも浮かれてられへんくらい、いいパンチやったで」 関西弁の彼は【神谷 守】 ウェルター級十位のインファイターである 「えぇと…よろしくお願いします」 恋は頭を深々と下げた それを見た二人は笑いながら恋の肩をたたき 「よろしく」 「こちらこそ、よろしゅう」 挨拶がすむと元がミットを両手にはめ すぐさま恋をリング呼ぶ 「ミット打ちじゃ坊主」 「え…あ…はい!!」 恋はリングに上がり構える 「ん?…坊主…なんじゃその構えは」 恋の構えは脇をしめ…拳をかため…親指を顎にあてて敵を覗き込むような構え ぞくにピーカブースタイルと言われる構えだった もちろん恋はそんな事は知らずに 「え!?…駄目ですか?」 「いや…よい!いい構えじゃ!!打ってこい!!」 「はい!!」 恋のボクシング生活は幕をあけた これから恋は苦痛や辛さ味わい そしてボクシングの楽しみを知っていくのである
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