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あんまりそっくりな景色ばかりだと、自分の家までの距離感さえなくなってしまう。
今のは何番目の角だっけ?って。
角を曲がったおかげで、また太陽が正面に回った。目が痛くなるくらい見つめてみる。
立ち止まってぎゅっと目をつむると、瞼のうらにたくさんの火花が散る。
小さいころはこうやって遊んだ。
ここは子供の少ない街で、
独りで遊ぶのには馴れていたから。
火花が弾けた後
瞼の裏の闇がしんと深くなった気がした。
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