夢と悪夢と現実と

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一人の少年はカリカリと熱心にクレヨンを動かす。これが小さなボク。ボクの横で優しい微笑を浮かべて紅茶を飲んでいるのがボクの母様。とてもとても美人で優しいボクの自慢の母様で、この国の女王様。 できた、とボクは嬉しい溜め息を吐く。ボクが描いたのはボクの大好きな母様とボク、それからいつもお仕事で忙しい、でもボクと母様を本当に愛していてくれる父様。父様は玉座に腰掛けているときは何だか怖い、でもボクが寝てからいつもおやすみ前にボクの部屋へ来ておっきな手でボクの頭を撫でてくれる。その手が温かくて優しいからボクは父様も大好きだ。物知りな爺やに挨拶すれば笑顔でかえしてくれるメイドのお姉さんたち。 少年は幸福しか知らない。 だからボクは……
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