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 そんな惨状でありながら彼女はまだ生きている。肺の欠片で息をして、溢れる血に埋もれながら。  棗は嬉々として腕を広げた。 「また燐ちゃんと一緒に魔王退治が出来るね。嬉しいなぁ。燐ちゃんも嬉しいよね?」  当然返事はない。だがきっと、彼に返答は必要ない。何も聞いていないのだろう。 「頑張ろうね、燐ちゃん。僕達が夜を終わらせるために」
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