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間奏
世界が終わる前にこの命を断てるのなら
私は勇者と胸を張ってもいいだろう
生きてるだけで満足だと父と母は言うが
それなら私は生きてるだけで不満だ
シジュウハチ時間数えずに
私の臓物は蘇る
命の糸が
再び張り詰める
「ねえ、どうしてこんな事をするの?」
「君しかいないんだ」
「ねえ、どうして私なの?」
「僕に好きな人がいればよかったんだけど」
「ねえ、どうして繰り返すの?」
「魔王が蘇るからだよ」
「ねえ、どうして終わらせないの?」
「だって、僕は――」
そんなの勝手!
世界が終わる前にこの命を断てるなら
私は勇者と胸を張ってもいいだろう
生きてる事しか許さない彼のそばにいる事は
私にとって不幸なのか
それとも幸い?
誰か私を殺してと張り上げた喉は潰されて
刃物を握る手ももう繋がっていないの
椅子に上るための足もない
髪の毛よりも細い命の糸
繰り返されるごっこ遊びの終焉を知らない
魔法をかけないで 私の命を終わらせるために
何も考えないで笑ってた頃を返して
君が望んだのはあの日を繰り返す事だけ
私は今でも望んでいるんだよ
諦めてないよ
帰る時間が来るのを
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