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「平和さん」  白骨がすみに重なる部屋の中、ぽつんと立ち尽くす彼に声をかける。ゆっくり振り向くと、平和は少女に近寄ってきた。それから、ぎゅうっと少女を抱き締める。 「待ってろって言ったろ」 「放っておけませんから! ……終わったんですか?」 「ああ。終わらせた」  彼が立っていた場所のすぐそばには焼死体が転がっていた。元はどんな姿だったのか、検討もつかない。ただ人間だったという事だけが分かる。
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