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ゴーッ!
辺り一面、静寂と夜の闇が支配している。
現在の時刻は午後の9時をまわったあたりだろうか。
ここは人工のの光など一切届かぬ空の上。下を見下ろしてもただ、灰色の雲が地上の光を遮るかの如く敷き詰められているだけだ。逆に、そこから更に上を見上げれば月が、恰もそれらの光をすべて補うかのように悠然と輝き続けている。
「まだ、大丈夫。どこか安全な場所が見つかるまで、お願い」
月の光で照らし出された灰色の雲。その上に、更にそれを覆うように黒い影が重なる。
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