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卒業アルバムの中で微笑む生徒達の赤いシミが浮き出ていたと言った。それは不気味に何かを暗示するようにくっきりと数人の生徒の顔を覆っている。
依頼者は一点を見つめたまま、淡々と話してくれるけれどあたしを含め他の人も怪訝な表情をしていた。
「ほ…本当なんです…だから…助けてもらえません…か?」
嘘を言ってるようには見えないんだけど、重要な事を隠している気がする…―
そんな雰囲気が漂っている中でいちばん始めに口を開いたのは藤森さんだった。
「こん中の誰もお前が嘘をついてるなんて思ってねぇよ…けど…いや、やっぱいいや」
「え…いや…あの…」
「話続けて」
新見さんが口を挟むと、依頼者はゆっくり話を続けた。
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