†シミ†

7/38
前へ
/59ページ
次へ
微笑む幼い生徒達の笑顔につられるように小さく笑ってしまう。しかし、あるページで手が止まった。 それは笑顔の並ぶ写真には不釣り合いな不気味な赤いシミ。 「気持ち悪い…」 思わず口から出てしまった。ただ、気持ち悪い、それしか思い浮かばない。 ハッと我に返り、慌てて謝ると彼は眉をしかめたものの僅かな相槌を打った。 「ここだけなんですよね…どうしてなんだろう」 「シミなのかな…」 せっかくの卒業アルバムなのに…と悲しげに呟いた。 「全部で7人です…隣の幼馴染みの顔にはないんですよ、このシミ。ほら、これが幼馴染みです」 確かに指を指された人物にシミはない。何らかの共通点が彼らにはあると言う事なんだろう…― 「とりあえず、お借りします」 パタンッと勢いよく閉じると学校へ急いだ。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加