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「キマイラの娘さーん、朝ですよー。おーい」
ペチペチと頬を叩いてみるが一向に目を覚まさないキマイラの女の子。
幼さを残す顔立ちから、歳は10台前半だろうと思わせる。
幻獣種は、歳の取り方が様々で、見た目の年齢と実年齢は、かけ離れている事が大半ではあるが。
無造作に腰まで伸びた髪に、獅子の小さな耳が力なく垂れている。
「困ったなぁ。目を覚ましてくれないと話しを聞くどころじゃねぇなあ・・・」
俺は医者じゃないし今この子がどうゆう身体状態なのかもわからない。
途方にくれて空を眺めていると
「・・・なんだ?どうなってやがる・・・生きてんのか?」
どこからともなく低い男の声が聞こえてくる。
「誰だ!!」
追っ手がこんなところまで?
まさか!
人間の足で追い付けるような速度でも距離でもなかったはずだ。
耳をすまして辺りを警戒する。
が
その声は信じがたい方向から聞こえてきた。
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