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「ねぇ…貴方はどう思う……?」
「何が。」
彼女は口元をほころばせている。椅子に座りながら、足を組み、頬に手を置いている。…行儀悪いな。
「ふふふ…。“この”世界のことよ。貴方は好き…?それとも…嫌い?」
「……そんな質問、私に聞くことでもないだろう。」
「あら、そうだったわね。」
「…そういうお前はどうなんだ。」
一瞬、彼女はキョトンと首を傾げたが、すぐに不気味な笑みを浮かべた。
「?……ふふ。」
そう言いながら彼女は椅子から立ち上がり、カーテンを開けた。…眩し過ぎる程の光が部屋を明るく照らす。
「…私は嫌いよ。全く、馬鹿馬鹿しい…。」
ガタン。そう言いながら彼女は窓の鍵を開け、全開にする。涼しい風が…彼女の長い髪をフワフワと揺らしている。…こんな眩しい光を見たのも…涼しい風を感じたのも…本当、何ヶ月ぶりだろうか……。
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