激突

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ケイトが駆けて、ユーリに向かって行く。 しかし、ここで今までとは違う展開が起きた。 先程までは距離を保ちながら攻撃していたユーリが動かない。 集中し詠唱を行う。 そんなことも気にも留めず、ケイトは突っ込む。 距離はスグに詰まり、ケイトが太刀を振りかぶる。 ――決める ケイトもユーリが何かしらの魔法の詠唱を行っていることは気づいていた。 しかし、先手必勝。 彼の魔法が発動する前に、倒す。 後手に回れば不利でしか無いケイトは、攻めるしか無かったのだ。 そして、ケイトの刃がユーリを襲う。 だが…… 速かったのはユーリだった。 ケイトの太刀が高い音を立てて止まる。 「これは……氷の壁?」 ケイトの攻撃を止めたのは、またしても氷の壁だった。 ユーリの前左右を護るように、三枚の分厚い氷の壁が現れたのだ。 「こんなもの、壊して――!!」 ケイトが先程と同じように力強く太刀を振るう。 しかし…… 壊れない 氷の壁は表面に傷がつくだけで、壊れずケイトの太刀を弾き返す。 そこで気づく、この氷の壁は先程までのものと全く違うと…… 何が違うのかは解らない。 だが、実際に先程は壊すことが出来た氷の壁に刃が立たない。 「くそっ、何だコレ!!」 ケイトが一歩下がり、息を整える。 すると、 「残念」 氷も壁の向こうから、ユーリの言葉が聞こえた。
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