激突

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暗い空 灯る電灯 それらを視界に捉えながら、ケイトは天を仰いでいた。 身体は全ての部位が痛い 血が流れているのも解る 意識は朦朧とし、気を緩めれば一瞬にして眠りに落ちるだろう だが―― 「よいしょっと……」 握っている太刀を杖代わりにして立ち上がる。 「まだ立てるんだ。正直驚いた」 氷の壁の向こうからユーリの声が聞こえる。 しかし、どんな表情をしているのかは解らない。 「……なぁ、一つ良いか? お前、何で戦ってんの?」 ケイトは壁で見えない相手に問いかける。 「……別に大きな理由は無いよ。まずは百期生のトップに立って、自分の存在を証明する。そして、上級生も倒して学園のトップに立つ」 ユーリはケイトの問いに答え、続ける。 「今までは周りは大したことの無い奴等ばかりだった。けど、ここには実力者が多いからね……飽きることは無さそうだ」 「そっか、なるほどなるほど……」 ケイトは太刀に頼らず自分の足で立つ。 「どうりで効かないわけだ」 ケイトはそう言うと太刀を構える。 「強がりだね」 「いや、本当だ。痛いのは痛いけど、効かない。特に、お前みたいに薄っぺらい理由で戦っているような奴の攻撃じゃ効かない」 「薄っぺらい?」 「あぁ、言わばお前の戦ってるのは今まで周囲に実力持っている者が少なかった分、ここでは実力者が多くて嬉しくて暴れ回ってるだけだ」 「…………」 「『強さ』の証明をしたいのかもしれないけど、お前は単に暴力を振るっているだけだ」 ケイト呼吸を整える。 「相手叩きのめして、黙らせて……それで『強い』? 笑わせんな!!」 ケイトは言葉に力を籠める。 そして、 「お前は間違ってる!! アイツにも言われただろ?」 表情の見えない相手に言い放った。
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