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「まさかの結果だったな」
ロキはケイトが放った攻撃に驚きながら呟いた。
防御魔法を得意とするロキにとっては、物理攻撃が魔法を打ち破る結果は想像もしてなかったのだろう。
「確かに、驚きましたわ」
「…………」
九頭も驚いた表情を顔面に貼り付けたまま言った。
レミーは無言だったが、どこか安心したような顔をしている。
ケイトが呼吸を整え、レミー達の方を振り返る。
太刀を下ろし、こちらへと歩いてこようとしていた。
「!!!?」
「!!!!」
「……嘘やろ」
並ぶ三人の驚いた顔を見て、ケイトが後ろを見る。
「へぇ、まだ立てるのか?」
そこには、ゆらりと立ち上がるユーリの姿があった。
貫かれた右肩を押さえ、苦痛に顔を歪めながらケイトを睨んでいる。
「……でもいい」
「ん?」
「もうどうでもいい……百期生のトップも特待生狩りも……」
「だったら、何で立ち上がるんだ?」
「負けたくない……ただ、単純に貴様に勝ちたい……」
ゆっくりだが確実にユーリが語る。
「良いんじゃねぇの? 間違った方向に暴走してるより、存在がどうとか……くだらない理由で戦うより、ずっと明確でずっとマシだ」
ケイトが笑って言うと太刀を構える。
「さぁ、最終局面だ。来い!!」
「……全てを賭けてでも、叩き潰す!!」
ユーリはそう言うと、耳に付けていたヘッドフォンを引きちぎるように地面に投げ捨てる。
と、同時に彼の莫大な魔力が解放された。
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