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「ほら。早く食べちゃいなさい。保育園行くわよ。」
毎朝繰り返される光景
なかなか朝食を済ませられない次男を急かしながら、私はいつも通り家事をしていた。
すると、リビングから聞き慣れた着信音が聞こえてくる。
夫の携帯の着信音だった。
『…ったく…また忘れて行ったのね。』
「お母さぁん!携帯鳴ってる。」
次男が慌てて夫の携帯を持って来た。
「ありがとう。お父さん忘れて行っちゃったんだね。」
「だめだねぇ、お父さん」
次男の言葉に少し苦笑いしながら携帯を受け取る。
その時、二度目の着信が…
ディスプレイを見ると、夫の同僚の方からだった。
『…携帯忘れた事伝えといたほうが良さそうね』
携帯の通話ボタンを押し、相手方に携帯を忘れた事を伝えた。
いつもなら、この後電源を切りそのまま置いとくのだけど…
なぜか…この日は私の中の誰かが囁いた。
―メール見てみたら?―
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