1章 幼馴染み

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 両腕を組んで振り返ってしまう。幼馴染みがせっかく相談にのってやろうってのにどういうことだと思いながらため息をつく。  (あの態度は間違いなく何か隠してるな。だてに10年も幼馴染みやってねぇよ)  などと思いながら少し声を張って言った。 「ならいいけどよ。なんかあったら相談しろよな」 「はいはい」  加奈は後ろを向いたまま手を振ってそっけない返事をした。  こんな絡みは日常茶飯事であるため腹が立つなんてことはない。    そんな感じで家路についた当一はリビングでテレビを見ていた。みんな用事あるみたいだし今日は家でゆっくり過ごすつもりだ。 「そういや今日お袋いないんだっけ」  父は貿易業の仕事で母はそれの手伝いをしによく家を留守にする。今日も一人暮らしを満喫出来るわけだか特にやることもないし暇だ。  雑誌を読んだりして時間を潰していたり。マンガ読んだりしててもなんか暇だ。  テレビをつけると女の子が杖を持って戦っているアニメがやっていた。いわゆる魔法少女が世界を救う感じの内容である。  特に興味もないがやることもないんで観ることにした。  途中から観たので何がなんだか分からない当一であるが分からないなりに観ている。  そのアニメも終わって時計を見たら6時になっていた。 「あ~飯でも買いに行くかなぁ」  重い腰を上げて夕御飯の買い出しに行くことにした。母から2000円もらったからちょっと無駄遣いできる。 「さてと行くか」  玄関を出てちょっと進むと車では通れない狭くてガタガタの道にでる。こんなところ通らなくても広い道があるから通らなくてもいいのだが。しかし商店街に行くにはこれが近道なので当一は迷うことなくそのあれ道を通ることにした。  荒れた道だが慣れたもんでヒョイヒョイと下り坂を下っていく。  下り坂も終わりちょっと進んだらそこには幼馴染みがいた。  なんだか深刻そうな顔をして空を見上げている。  当一は立ち止まって少し沈黙した。なんか声をかけずらかったからである。こんなところで1人で空を見上げるのは普通じゃない。当一は意を決して声をかけてみた。 「こんなとこで何やってんだ?」  当一の呼びかけに気づいた加奈は大きく目を見開いて彼のほうを見た。
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