1297人が本棚に入れています
本棚に追加
「追えェェエ!」
周りが薄暗くなった午前三時の街。普通ならこの時間帯は住民が眠って静まり返っている。だが、とある街では警察の警報が鳴り響いて騒ぎになっていた。
ダイヤやトランプ達がいる国――大国ルベルスク国。その国の隣にある水の国タウォールという国。
この国は昔から水源が豊富で街の中には必ず大きな川が流れており、そのタウォールの王都であるこの街にも沢山の川が流れている。なので、街の作りはほとんど橋がメインとなっている。
今、その橋を次々と飛び渡っている二人組がこの街を騒がしていた。
二人組がしたこととは窃盗。この国の金品をありったけかっさらって警察から逃げていた。
二人を必死に追い掛けているのはこの国のエリート警察官達。しかし、彼らは追いつくことができていない。
理由は単純明快。この二人がその自分達を追い掛けている警察官達よりも一枚どころか何枚も上手だからだ。
確かに彼らはこの国の警察官の中ではエリート。並大抵の犯罪者達なら簡単に捕まってしまう。だが、この二人の窃盗組はそんなエリート警察官をまるで赤子でも相手をしているかのように軽くあしらっている。
「……そろそろ鬱陶しくなってきたな」
二人組の一人はしつこく自分達を追って来る警察官達に少しイラついておりそろそろ決着をつけようと思った。
突然、その呟いた方の盗賊は何を思ったかは知らないが橋の上から降りて川へと飛び込んだ。端から見たらこの盗賊がやった行動は逃げるのを諦めた行動であろう。
最初のコメントを投稿しよう!