盗賊×盗賊×探偵?

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「《カード》……また現れるか……」 季節は少し移り変わり十月。トランプ達とダイヤが出会い何でも屋を創立してから一ヶ月と少しが過ぎた。 この一ヶ月でダイヤの何でも屋の評判は少し上がってきている。まだ幼い年齢の集団ではあるが実力の方は大人顔負け。シュウとハートと言ったこの国でも選りすぐりの美形が揃っている。王都ではすでに名前を言えばどこの何なのかがわかるレベルになっていた。 で、今、トランプは今朝届いた新聞を読みながら朝食を食べていた。新聞の内容はつい三日前に起きたあの窃盗事件。外国の事件だというのにトップに写っている。それほどまでに彼らも有名だということだ。 「性別・年齢・出身地、その他あらゆることが一切不明の謎の二人組窃盗犯。全国各地の宝石や金品を盗み、今までに盗まれた窃盗品の被害額は数十億と言われている。そして……一人は魔法みたいな技を使うか」 正直、トランプにとって窃盗事件などどうでもいい話。依頼がなければこんなにも深くは見ていない。けどこの事件はまた別。一つ気になっていることがあるからだ。 それが先程最後に口にした窃盗組の一人が魔法みたいな技を使うということだ。 本来、魔法というものはそう簡単に使えるものではない。使えるものと言ってもごく僅か、この世界でも何万人もいないくらいだ。それからさらに戦闘レベルで使えるものと範囲を狭めてやると数千人と数が極端に減る。 「許せません」 その戦闘レベルで魔法を使えるものの一人。この国で唯一の魔法が使える一族である公爵エルリック家の長女ハート。珍しく怒りの表情でトランプが読んでいた新聞を覗き込んできた。 ハートは気づいているかどうかは知らないが明らかに顔と顔との距離が近い。そのことといきなりハートが現れたことにトランプは驚き、思わずソファーの後ろへと転げ落ちてしまった。
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