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「そうか……」
トランプはエースの要望に答えるため全身から気功を放出させて戦闘体勢を取る。
「気功使いか……」
トランプが気功使いだったことに少し驚いた表情をする。
今、エースが見た感じでもトランプはなかなかの気功使いだということがうかがえる。気は十分と満ちており、とても力強く感じられこの年にしてみれば立派なものだ。
「まだまだだな」
しかしエースクラスの実力者に言わせてみればまだまだである。
確かにこの年にしてみれば上出来。後何年もしないうちにセミペンタグラムのオウカクラスの気功師になることだろう。
だが、エースが求めているのは今であり最低でもそのセミペンタグラムクラスの実力が欲しかった。なので、トランプの実力が自分が思っていたより低かったことに少しがっかりしていた。
「確かにお前の実力は気功師の中でもなかなかのものだ。しかし、それだけの実力ではとてもじゃないが今回の任務にはつれていけない」
「……つまり役不足ということか」
「そういうわけだ。今回戦う敵は少なくとも中級魔物以上の実力の持ち主だ。だから、こちらも少なくとも中級魔物以上の実力が欲しいと言うわけだ。悪いが、今のお前では中級魔物以上の実力はない。だから、今回の話はなかったことにしてもらおうか」
「わかった。実力不足なら仕方ない。今回の話は――」
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