盗賊×盗賊×探偵?

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……それは急に起こった。今すぐエースの誘いを断ろうとしていたトランプだったが、話の途中で痛そうに頭を押さえてその場に座り込んでしまった。 明らかに様子がおかしい。そのことに気づいたエースはトランプのことを心配してすぐさま彼の元まで駆け寄って行こうとする。 だがすぐにトランプが手を前に出して大丈夫だと告げたことによってないものとなった。 「あぁ大丈夫だ。少し頭痛がしただけだ」 「そうか」 「……それより、さっきの話だが少し考えさせてくれないか」 「別にいいがそれは俺が実力を認めるのが前提の話だぞ」 「わかってる。だから、今すぐエースと戦って実力を見せる」 ……そう言っているわりにはトランプが起こした行動は奇妙であった。 トランプの武器は気功。そのことはさっきのやり取りでわかっていること。それなのに何を思ってかは知らないが急にそれを解き、代わり腰につけている剣をゆっくりと鞘から抜き始めた。 「……戦う前に一つ聞く」 「何だ?」 「お前は気功よりも剣の方が得意なのか?」 「いや……気功の方が得意だ。それにどちらかと言えば剣技はあまり得意ではない」 「なら何故得意の気功ではなく苦手な剣技を使ってくる? 俺をなめているのか?」 流石のエースも今のトランプの態度には御立腹のようだ。 無理もない。ただでさえ勝てない相手である自分に得意分野で挑んでこようとはせず苦手分野で挑んでこようとしているのだからだ。ふざけているとしか思えない行動だ トランプは賢い人間だと思っていたエースにとって今の彼の行動は完全に失望させるものである。 それを知ってかどうかは知らないが当の本人であるトランプはいつも通りの態度でエースを見ていた。 「別になめているわけじゃない」 「なら何故不得意の剣技で戦おうとしているのだ?」 「……確かに俺は剣技があまり得意ではないと言った。けど、あくまで《俺》はだ」 「言っている意味がわからない」 「だろうな。まあ、今から見せることを見れば俺が何を言っているのかわかるはずだ」
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