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「あの~、少しお話でもよろしいですか?」
シュウの元にやって来たクイーンはいつもの口調とは違いとても女性らしい声で話し掛けた。
この方法でクイーンは何人ものの男達を落としていきいくつものお宝を盗んできた。
だが、この目の前にいるシュウにはその方法は通用しない。この目の前にいるシュウは研究のことしか興味がない。
いくらべっぴんな女性が話し掛けてきても眉一つ変えることはない。今回も、少しクイーンに視線を向けてからまた夜空に浮かぶ満月に視線を戻していた。
流石のクイーンもこんなシュウの態度にはご立腹のようだ。誰からにもわかるようなムスッとした表情をしそれからまたシュウに話し掛けようとした。
「あの~、私の言葉が聞こえていますか?」
「……話を無視しているのかわからないのか? 俺に関わるな――女」
シュウは冷めきった態度で隣にいるクイーンへと話しかける。
何だかいつものシュウとは少し違う。いつものシュウなら話し掛けられれば何らかの会話をするであろう――例え興味がなくても。
しかし今回は何故だかわからないが初対面であるクイーンに対して敵意むき出しだった。
クイーンはシュウがどのような人間かは初対面であるから知らない。だが、このような反応をされれば怒るに決まっている。
さっきまでの清楚な仮面を剥がし、いつもの我輩な態度に戻ってシュウのことを睨んでいた。
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