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「少し熱くなりすぎました。でも……私はあの二人を二人っきりにさせるべきではないと思います」
「何でだ?」
「前にも言いましたが、このままあの二人を二人っきりにしてしまいますと二人の仲がさらに進展してしまいます。そうなってしまいますとダイヤちゃんはトランプさんの手が届かない所まで行ってしまいます」
「確かにそうだな。でも、ハートは何でそこまで熱くなるんだ? これは俺のことなのに?」
「そ、それは……」
「わかった、ハートもクローバーなことが好きなんだな」
「違います!」
またもや、ハートは熱くなってしまいトランプに向かって叫んでしまった。今度は立つことはなかったがトランプに顔を近づけていた。
そのことは当の本人であるハートは熱くなって気づいていなかったが近づけられているトランプは気づいていた。
彼女のことはただの妹くらいしか思っていない。それでも美少女のハートに間近まで顔を近づけられたら違う。少し戸惑い、顔を赤くしてハートのことを見ていた。
「ハート……顔が近い」
「あっ……」
言葉をかけられてやっとハートは自分が間近までトランプに顔を近づけていることに気づいた。
今度は顔に熱を帯びたまま黙り込んでしまい、また違う意味で二人の間に沈黙と言う名の気まずい時間が続いた。
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