第二章

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「……悪いけど、私は大西くんのことは知らないし、坂本さんともよく話したことはないから。あまり力になれないと思うわ。ごめんなさい」 我慢できずに、そう言うと、新井さん達3人は鼻白んだ顔をした。 『えー、それって冷たくない?』という声が聞こえる。 何言ってるんだか。 自分が優しい人間だというつもりは、さらさらない。 だけど、本人のいないところでその人の失恋の話をネタにして、勝手に涙ぐんだり、恋仇の悪口を言い合うのが優しさなら。 それを友情というなら、私はそんなもの持ち合わせていない人間で構わない。 もっとも、そんな考えだから私はクラスでどのグループにも入れないでいるのだけれど。
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