序章

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倉田すみれ は有名人だ。 なぜなら彼女には、常に恋人がいるから。 まだ17歳なのに、すみれが付き合った男性の数は、すでにフタケタ。 同級生、先輩、後輩…。 ときには大学生、社会人。 彼女の隣にはいつも男性。 そして、まるで6月の紫陽花の色のように、 気まぐれに、うつり気に、その相手は変わった。 変わらないのは。 男たちに寄り添う、すみれの笑顔だけ。 誰が相手でも、すみれは、いつも同じように笑った。
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