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虹色ドラマチック(櫻)
主人公:宮野知花(みやのちか)
ある日の昼のこと……。
その日は、久しぶりに家に帰ってきていた。
「はぁぁ~~!! 久しぶりの我が家!!!! 」
そう叫んでベッドに倒れ込む。
今は夏休みの真っ只中。
しかし、コンクールが近かったこともあり、昨日までは毎日部活が行われていた。
ところが! 昨日の部活終了後のこと。
「明日から、部活を5日間休みにしようかと思う。しばらくはコンクールもないし、せっかくの夏休みだ。家にでも帰ってゆっくりしてこい。」
……と紅葉さんに言われ。
お言葉に甘えて、たった今、家に帰ってきた。という訳だ。
「この後……何しよっかな~~」
誰に言うともなしに、そう呟く。
「恵梨歌ちゃんは遊べないって言ってたしなぁ~~」
恵梨歌ちゃんに言われた時のことを思い出す。
『あ、知花ちゃんごめんね。私、今日はお母さんの手伝いで忙しいの』
「ん~~……せっかくの休みなのに……」
一人で ふてくされていると
~♪~♪♪~♪~♪♪♪
携帯が鳴った。
「ん? こんな時間に誰だろ? 」
しかも電話。
急いで着信者を確認すると、“櫻”と表示されていた。
ピッ。
「もしもし櫻? 」
『あ、理江』
「どしたの? 何か用事? 」
『いや、大したことじゃないんだけどさ……』
「……じゃ、切っていい? 」
すると、焦ったような櫻の声が聞こえてくる。
『あ、いや。ちょ、ちょっと待て知花!! 』
「……何? 」
『あのさ、この後ヒマなんだろ? 』
「なぜそれを……あ。また恵梨歌ちゃんか」
最後の方は独り言である。
案の定、櫻は聞こえなかったようで。
『で? ヒマだろ? 』
「いや。忙しい」
『ウソつけ』
「いやホントに。今……買い物中」
『じゃあさ、知花。ちょっと外見てみろよ』
「……え? 」
言われた通り、窓から顔を出して外を見る。
するとそこには、私の部屋を見上げてニッコリしている櫻が居た。
「…………」
『やっぱり居た。ホント知花ってウソつくの下手くそだよなぁ……』
見つかった以上、観念して外に居る櫻のところまで出て行く。
「……で? 何か用? 」
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