13255人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから、吉田さんまで……。そういうことは店長に聞いてください」
吉田さんは、でもなぁと頭を掻きながら。
「女神ちゃんのインスピレーションみたいなのって案外侮れないから……」
「そうそう。行っておいで」
店長も私が新作をいち早く見たいのを知っているからか、面倒なのか、笑顔で送り出してくれる。
「お褒め頂いて光栄です。じゃあ見てきます」
掃除していた手を止め、事務所に入っていく。
うまく雑用を押し付けられた気分で事務所の奥にある倉庫に入る。
たしか昨日までは空いていた向かって右のスペースに積んであると聞いた。
窓が箱で塞がれているせいか中は真っ暗で、明かりを点けようと手を伸ばし、一歩踏み出したところで何かに右足を取られた。
.
最初のコメントを投稿しよう!