鈍感

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「だから、吉田さんまで……。そういうことは店長に聞いてください」 吉田さんは、でもなぁと頭を掻きながら。 「女神ちゃんのインスピレーションみたいなのって案外侮れないから……」 「そうそう。行っておいで」 店長も私が新作をいち早く見たいのを知っているからか、面倒なのか、笑顔で送り出してくれる。 「お褒め頂いて光栄です。じゃあ見てきます」 掃除していた手を止め、事務所に入っていく。 うまく雑用を押し付けられた気分で事務所の奥にある倉庫に入る。 たしか昨日までは空いていた向かって右のスペースに積んであると聞いた。 窓が箱で塞がれているせいか中は真っ暗で、明かりを点けようと手を伸ばし、一歩踏み出したところで何かに右足を取られた。 .
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