鈍感

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声の主を振り返ると私を助けてくれたのは緒方店長だった。 「あ、ありがとうございます」 とっさにお礼は言ったものの、 抱きとめられていたので振り返って失敗したと思った。 店長の顔近すぎ……。 鼻が、唇が触れてしまいそうな距離だった。 走ってきたのか、荒い息遣いがよりいっそう鼓動を跳ねさせる。 頭が真っ白で身動きできない。 瞬きをするばかりで目が離せない。 絶対今全身真っ赤な自信がある。 店長もさっきから固まっったまま動かない。 .
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