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「店長、好きな人いるじゃないですか……」
少し震える声を必死で絞り出した。
「うん、君だよ。毎日のようにガラス越しに店の中を眺めていた頃からね」
「嘘……」
知らなかった。
こんなに近くにいて、近くにい過ぎて……。
動揺する私の頭をぽんぽんと触れてから、
「今夜空けておいて……。ちゃんと話したい」
そう言ってフロアに戻っていった。
一向に治まらない心臓の音を体中に感じながら、暫く動けそうになくて。
新作の箱を開けるふりをしてしばらくその場に佇んでいた。
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