第一章

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  「って言ってもなぁ。 家に帰っても、どうせ怒られるだけだし…。」 真美は学校から出たはいいが、これから何処に行こうかと思案していた。 家に帰ろうかと思ったが、帰ったところで退屈するのは分かっていたし、サボりだと父親にバレれば、説教されるかもしれない。 だが、こんな平日の真昼間から制服を着た女子高校生が街中をウロウロしていたら、警官に声をかけられかねない。 「どっか良い暇つぶし場所ないかな~。 ん?あれ?こんな所に、こんな店あったけ。」 これからどうしようかと考えながら歩いていると、ふと目に入った店に足を止めた。 店自体は小さいのだが、蔦や色とりどりの花に包まれていて、奇妙な雰囲気を放っている。 …お世話にも可愛らしいとは言えない外見だ。 いつも通り慣れた学校への道。 果たしてこんな店、あっただろうか。  
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