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「調子にのらないでっ!」
そう言って浴びせられた水は、冷たかった。
―――――――――
高校に入学してから、八ヶ月。
それだけ時間が経てば、だいたいの人が友人の一人や二人を作って青春を謳歌しているのだろう。
だけど私、相川真美(アイカワマミ)の場合は違う。
「此処はアンタが通う高校じゃないでしょ?
いい加減、転校しなさいよね」
そう言って、相手は扉を一蹴りしてトイレを出て行った。
私立華山高校は、県内では有名な名門校。
秀才から始まり、世の中で言う『お坊ちゃん・お嬢様』って言うのが集まる学校。
私もその中の一人なわけで、頭はすっからかんなのに、親が大手企業の社長ってだけでこの高校に入学させられた。
元々、親の跡を継ぐとか会社のこととか興味なかったし、自分のやりたいことだけをやってきたつもりだった。
でも親からすれば、プライドが許さないらしく、せめて表向きだけでもと言って、この高校に私を入学させたのだ。
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