第一章

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茶髪に、ピアス。 着崩した制服。 ド真面目なお坊ちゃん、お嬢様が集まるこの高校では、私は思いっ切り浮いた存在で。 先生から注意されるのかと思いきや、うちの会社が怖いらしく全くと言っていいほど口を出してこなかった。 こんな時に親の強大さを実感するなんて、我ながら馬鹿だと思う。 だけど、もちろんそんな私のことを気に入らない奴もいるわけで。 しかも同じクラスに、うちの会社のライバル社までいたらしい。 相川グループのライバル社、高山グループの跡取り娘。 高山加奈子(タカヤマカナコ)。 絵に描いたような真面目ちゃん。 自由すぎる私が気に入らないのか、日常的に嫌がらせをしてくるようになった。 漫画やテレビの見すぎなのか、それとも誰かに聞いたのか。 机に『馬鹿』とか『死ね』とか落書きをしたり、靴の中に画鋲を入れてきたり。 ありきたりな嫌がらせばかり。 最初は無視してれば、そのうち飽きるだろうと思っていたけど、無反応な私の態度が逆に苛ついたらしく嫌がらせはエスカレートしていったのだ。
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