第一章

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  「そういう愛こそ、サボり?」 「うん。 今日はポカポカしてて、気持ちいいから中庭でお昼寝してたの。 そしたら先生に、授業始まるから早く教室行きなさいって怒られちゃった。」 そうして照れたように笑う愛は、かなりの天然でもある。 真美同様、サボり常習犯だが、頭はとても良い。 学年順位も、常に5位以内だ。 元々勉強しなくてもいいタイプなのか、影で努力するタイプなのかは分からないが、 ほわほわとした見た目からは、秀才の匂いはちっともしない。 「まぁ、サボりも程々にしなよ!……って私にだけは言われたくないか。 じゃあ、そろそろ帰るわ。 先生には適当に言っといて。」 「うん。任せてぇ。 じゃあ、気をつけてねぇ。」 互いに軽く手を振ると、真美は下駄箱から出した靴を履くと、早足で学校を後にした。  
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