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とにかく、これが今オレが置かれている状況なんだが、正直どうしたもんか。
見た通り、やっぱり女性だった。
いや、女性ってよりも少女って表現がしっくりくるか。
裸に見えたが正確には半裸、だった。
どこか、西洋のファンタジーにでも出てくる様な革っぽい鎧…だったのだろう。
上半身は、残念ながらその鎧が切り裂かれでもしたのか、見るも無残な姿に。
よく見るとあちこちに浅い傷がある。
下半身はその鎧の様な物とセットなのか?
こちらは丈夫そうな革製のミニスカートの様な衣服の上に丈の短い金属鎧。
オレ自身、働くのが嫌いで良くゲームなんかやってるもんでこの衣服が鎧なんだろうと勝手に判断したんだが。
しかし、ホントに何だろうなコレは。
誰かのサプライズ…にしては手が込みすぎてるし、自慢じゃないがオレは友達が少ない。
こんなビックリ企画してくれる様な友達は居ないんだが…。
…しかし、顔立ちは幼いけどなかなか良い体だな。
身長は、150ぐらいか?
顔も幼いから中学生ぐらいなんだろうか。
しかし、こう、何て言うの二つのアレ?
山というかチャーハン、そうツインチャーハン!
片手に包むと指の間からこぼれ落ちそうなボリュームといい、横になってるのにツンと上を向いて自己主張してる形といい、何かこう、理想的だなぁ…。
ビバお椀型!
そう叫びそうになった時にその少女から声が聞こえた。
「う……ぁ…?」
そこでオレは気付いた。
この子ケガしてるんだった!
「おい!大丈夫かっ!?」
走り寄って声をかける。
良くわからない状況ではあるが少なくともこの子はケガ人、それだけ理由があれば行動を起こすには充分だった。
「ぅ…ぁぅ…」
呻くように彼女が言う。
大丈夫には見えない、よなぁやっぱり。
「あ、う…」
そして再び気絶する彼女。
ケガの具合を見る限り特に致命傷ってワケでもなさそうだ、疲労が酷いのか。
自分自身、仕事中に大なり小なりケガをするのでこの見立てに間違いはないはず。
「さて、どうしたもんか」
口には出したが別に悩んではいなかった。
彼女を抱きかかえると、オレは玄関の扉を開いた。
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