双子座流星群～一番になれない女～

始まり

―――９月４日。

まだ夏の暑さが残る夜。

友達の企画したＢＢＱに友人数名と参加した。
予定総数約７０名の大規模なイベント。

石を台にして網を乗せたブースがいくつか設けられ、何度目かの参加になる私はその一つを焼き担当として任されていた。

「え!?柚子、別れたン！？」

一緒に野菜の分配をしていた友人が、勢いよく振り向いた。

「ウン。けっこう前に」

「えー…！春に遊んだときは付き合った報告やったのに」

いつもあまり続かない私は苦笑いで返す。

「あ、でも良かった！今日私の知り合いくるから、その子らの相手頼むわ！同い年やから大丈夫やろ」

「え？良かったって、男の子ってこと？」

「そうそう。出逢いになるといーな！」

友人はそう言って肩を叩いて、にっこりと笑った。