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…いや、愛してるからこそ
許せないんか？
｢しかも俺、
ちゃんと謝らへんかった。
ヘラヘラ笑って、しかも逆ギレしてもうたんや｣
｢あー、
それはあかんかったな…｣
俺にも経験がある。
貴と熟年夫婦になる前。
もう１０年以上前のこと。
全然違う感性の持ち主の俺ら。
友達のころは許せてたことの
一つ一つが気に障った。
その頃の俺には
貴の心を見抜くスキルなどなく、
感情をぶつけるしかできんかった
ぶつかり、けなしあい、
傷付け合うことしかできなかった時期もある。
そんな時期を乗り越え、
いまの俺達があるんやけど。
だから、ケンカの話を聞いた時は
第１の壁か～
と高をくくっていたのだが、
よくケンカしている俺らとは違うらしい。
滅多にケンカしないロザンがした
ホンマのケンカ。
それは命取りになるかも…？
｢藤原ぁ…、
俺はどうしたらえぇねん…｣
目をうるうるさせて
俺を見上げる菅は見とれるくらいかわいかった。
おっと、すまん、貴
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