愛しい君 くく竹

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「……」 じーっと言うような効果音が似合いそうなくらい兵助は俺を見てる 勉強を見てもらってるのは事実だし、こんな時間まで付き合ってくれてるのだから見られる分には別に構わない が、そんな顔で見られると…手が硬直して動かなくなってしまう 「………」 「兵助、」 「ん…?」 「…見ないでくれよ」 赤いであろう頬を隠すため俯けば 「なんで?」 聞きながら兵助の手で顔を戻される おかげで俺の苦手な兵助の表情を見るはめになる 「…っ…わかった、じゃあ…その顔は止めてくれ…」 「顔?」 「その表情だよ」 小さくふくれれば兵助は笑った 「どんな表情?」 「…あ、暖かい目…?って奴…?」 「そう(笑)」 筆を置いて首を傾げる わかんないから 「なんでそんな顔するの?あ、こんな問題も解けないから哀れんでる…?」 「違うよ?愛しいから」 そう言ったかと思えばいきなり手をひかれ、気づけば… 「!?」 兵助の腕の中にいた 「な、なんだよっ!?急に!?」 「んー…?」 曖昧に言葉は濁される 「…は、離せよ…できないじゃん…」 流されるのは嫌だ だから暴れる けど見た目よりも力があるらしいこいつはびくともしないが…(涙目) 「明日テストなんだからっ!勉強させろよっ…」 「やだ」
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