会いたい くく竹

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会いたい くく竹

例え忍びの三禁をおかしてまで付き合ってるのだから少しのすれ違いは覚悟していた だけど流石に 「5日は…」 正直にキツイ 5日もろくに話せなかったのは初めてだ 理由は簡単、兵助と俺の空いた時間が合わないからだ お互い委員会、任務、授業で忙しいのも事実…だけど5日は…な… ――――――――― 委員会後だから当たり前だがボロボロ そのまま襖を開ければ同室者はいない 「疲れたー」 部屋には当然独り言が響く 空の虫かごを机に置いて横になる まあ頭に浮かぶは1人ばかりだが ―どうせ今も忙しいんだろうな…会いたい…って…俺って女々しいかな(苦笑)……― 見慣れた天井を見ていた目をゆっくりと閉じ、まぶたにあいつを思い浮かべる ―…どうしたら会えるかな…食堂では皆もいるし…そう言えば最近2人っきりって全然ないじゃんっ…だいたい皆兵助に雑用頼みすぎだよ…― ダメだ… 嫌なことしか思い浮かべない 目を開け、起き上がった 会いたい、超会いたい、でも…我が儘は言いたくないし… 「…あー、俺ったら女々し過ぎだっての」 グっと頬を引っ張る いや、正直痛い ―嫌な考えはもう止めよう 次は絶対に2人っきりになればいいっ!― 「よしっ!」 軽く頬を叩いて笑顔を作る 立ち上がり襖に手をかけた 「はっちゃんっ」 だが襖は俺が開けるより先に開き、驚くことにボロボロの兵助が入ってきたのだ 「へ、兵助っ!?」 間抜けな声だが本当に驚いたので仕方がないだろう? 「…はっちゃんもしかして…出かける?」 眉を下げながら聞かれる 「いや…?」 「よかったっ!俺頑張って2人っきりになれる時間作ったんだ」 「…!?」 腕をひかれ、気づけば兵助の胸の中にいた 「おまっ!?…あれ?…つくった…?」 「うんっ!頼まれ事の時間を切り詰めて」 顔を上げればおかしいくらいに兵助は笑っている ―そうか… 兵助も俺に会いたかったんだ…どうしよう…凄い嬉しい…― 「5日もろくに話せなかったしさ」 「……も…」 「ん?」 「俺も…会いたかった…から…」 「……」 そう言って下を向く だってかなり顔赤いだろうし なのに 「…っ!」 腕は解かれたが下から顔を覗きこまれた 「……」 「会いたかったよ、大好き」 「っ!、ば、ばか野郎…」 「えへへ」 でも、ありがとう
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