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アントニオ公とマルケスが連れ去られた後、残ったアルスに女王は話しかけた
女王「アルスとやら。剣にかけて誓った相手への忠誠心。主を誤ったとはいえ誠に見事である」
はじめてアルスがうっそりと頭を下げた
女王「…その忠誠心、我に向けてくれるつもりはないか?」
アルスは少し考えてからかぶりを降って膝をついた
アルス「お言葉はありがたく頂戴いたしますが、金に目が眩んだとはいえ、一度はアントニオ様を主とした身。私にも相応の処罰をお願い申し上げます」
女王は軽く首を傾げた
女王「そなたの妹の病気なら…出来るだけの事はさせてもらうつもりだが」
アルスは弾かれた様に顔を上げた
アルス「…陛下」
女王「アルスよ。今回の事に少しでも罪の意識を感じるなら、聖女神騎士団の護民兵になれ。妹と住める部屋を用意させよう。我が見立てでは、妹君の病は死病ではない。馬車を用意させる故、我が都に運び、神殿の医師に見せて滋養のある物を取らせれば、一年と経たずに本復するであろうよ」
アルスは呆然と涙を流した
アルス「陛下…私のような者に、何故そのような温情を」
女王陛下は玉座に頬杖をついて、小さく微笑んだ
女王「…レッドが見込んだからにはさぞや良い兵になるだろうと、少し調べさせてもらった」
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