非常に不本意これでいいのか?

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カリタは町を囲う塀こそないものの、ある意味洗練された田舎町だった 水には強いが脆い岩を切り出して作ったブロックで土台を組み上げ、その上に風変わりな木造の家が建てている 道を埋める石畳も同じ岩で、砕けた石が砂となり、白っぽく埃をあげる 町には沢山の堀が切ってあり、あちこちにアーチ状に橋がかかる その下を沢山の荷物を積んだ細長い船が独特の声をかけながら行き交う 交易の町、カリタ それは田舎町、というよりはむしろ、ごくごく小さな都市国家の様に見えた 馬車を進めると、両脇に店が建ち並ぶ 大きな荷物をしょったお婆さんは、遠くからの買い出しの客か、はたまた行商か。この辺りは多分市ではないだろうに、数日本当の田舎ばかり通ってきた俺には非常な活気に見えた 俺達はとりあえず、指示にあった集合場所、町の南部の「青い真珠亭」を目指した
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