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広場の馬留めに馬車を繋ぎ、俺は皆を待たせて青い真珠亭へと向かった
階段を数段昇り、宿の扉を引いた
「お客さん、悪いけど貸し切りなんだよ」
扉を開けきらない内に宿の亭主の声が響く
レッド「青い真珠ってのは青い貝殻から取れるのかい?」
あらかじめ決められていた合言葉だ
「亭主、うちのもんだ。おい、突っ立ってないで入れ」
鷹揚な男の声が響いた。宿に足を踏み入れる
宿はよくある一階が酒場、二階が宿のタイプだった
高級宿らしく造りはしっかりしている
一階の半分は吹き抜けになっており、二階に客室の扉が見えた
5人の男がそこにはいた
宿の亭主はカウンターの中
俺のいる扉の脇に一人、階段の下に一人、これは見張りらしく武装している
テーブルにつまみと酒を並べて、みなりの良い壮年の男が一人。貴族か商人か微妙なところ
その向かいに明らかに兵士、しかも傭兵団の団長クラスの男が一人
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