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10分程待つと妙な緊張感の中、責任者らしい人が現れた。 諸々の書類が配布された後、責任者の話があり早々と解散になってしまった。 配属部署は『営業二課』らしい。 仕事の話等はほとんどなくて、少し気が抜けた。 時計を見るともうすぐ14時だ。時間を意識すると、空腹感がわいてくるから不思議だ。 そんな事を考えていると 「まっすぐ帰るの?」 隣のふわふわした女の子が声を掛けてくれたみたいだ。 「うーん…。お腹空いたねぇ。」 「良かったら一緒に帰らない?お昼ついでに!」 ふんわり笑った顔は間違いなく可愛くて。 「ダメ?」 お伺いを立てる上目使いは小動物のようだ。女のあたしでも顔が赤らんでくる。 「ダメじゃないよ。行こう?」 ごまかすように笑うあたしの袖口を掴んでくる仕種は本っ当、もうっ (惚れてまうやろーっ) てなくらい可愛い。
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