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あたしはだらしない顔をして(おそらく)心の中で叫んだ。 意外に強引なふわふわな女の子に引きずられて、あたし達は会議室を出たのだった。 その様子を後ろから観察されている事には全く気付く筈もなく。 ましてや、あたし達が出て行った後、ある人物が豪快に噴き出した事などしるよしもない。 涙を流して笑う人物に 「楽しそうね。工藤君。」 雨宮が呆れて言った事も。 「まぁね。」 目尻の涙を拭い。 「楽しくなりそうだよ。」 不敵に笑っていた工藤の事も。 知らない事はある意味、幸せな事だと思う。あたしは思わずにはいられなくなるのだ。
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